【ネタばれ注意】
刑務所から出所した人間が社会復帰する過程を描いた映画。
直木賞作家の佐木隆三さんが、実在の人物をモデルにした小説「身分帳」を現代に置き換えて話が作られているそう。
役所広司が主役で刑務所から出所した人間の三上役。
三上の人間性が始めよくわからなくて不気味だけど、だんだんわかってくると距離が縮まってくる。
けど途中チンピラ二人とけんかになるシーンがあって、そこで三上に取材をしていた津乃田と同様に三上の狂気性にあてられて恐怖感が芽生える。
三上の狂気性、素直で不器用でストレートな性格。その辺が社会や協調性などとぶつかる。
周りの応援を受けて、なんとか自分を抑えて社会に溶け込もうと努力する姿に切なさを感じたり、共感を覚えた。
映画のほんとの最後に「すばらしき世界」と文字が出た時に、そこまでふつふつと込み上げてきていた感情が溢れ出して、どこがだよと何かくやしくて号泣してしまった。
役所広司がすごい役者だという事はわかっていたけど、改めて好きになった。
身元保証人、生活保護課の役員、スーパーの店員(六角さんすごく良かった。)、取材する津乃田、お世話になっていた組の親分と奥さん、脇役もキャラが立っていてよかった。
評価:4.1/5